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脳の健康

脳障害と電磁波(EMF)の気になる関係


スマホやPC、Wifi、5G、家電などの電磁波が体におよぼす影響って、たまに耳にしますよね。

「でも、みんなつかっているし、そんな健康にわるいものを国全体で推進するはずないでしょ」と思うのが人の心。私もむやみに「電磁波の脅威!」などとおどすつもりはありません。

電磁波が脳にどのような影響をあたえているのか、そして、その対策について、さまざまな研究からみていきましょう。

脳の不調を抱える人は影響を受けやすい

健常者にとっては便利なだけの電磁波ですが、高次脳機能障害や自閉症など、脳に障害を抱える人たちのなかには、電磁波の影響をつよく感じる人がいます

そんな人は、原因不明の頭痛、もやもや感、睡眠障害をはじめとしたさまざまな症状が、電磁波対策で改善することがあります。

海外で脳障害の先進的な治療を実践する医師たちのあいだでも、電磁波の影響が注目されはじめています。電磁波(EMF)対策についての理解がじょじょにひろがってきているのを感じます。

電磁波の危険性って証明されてる?

現在5Gをはじめ、さまざまな電磁波の利用が、いまだかつてないスピードで普及しています。そんななか、その安全性・危険性についての研究が、普及のスピードに追いついているかというと、残念ながらそうともいえません。

  • 電磁波の悪影響を示唆する研究が出ている
  • 医療の現場でも、明らかな健康被害を被っている人の報告がある

というのが現状。

電磁波の危険性を全面的に証明する研究がでるまで気にしないでいるか、影響がありそうだと対策をしておくかは、その人の考え方しだいです。

個人的には、リスクがありそうなものに何十年と家族の体をさらすよりは、できる対策をして、あとは忘れて安心して暮らすことをえらぼうかなと思います。

脳と電磁波の研究事例

ここからはすこし小難しい話になるので、興味がない方はつぎの対策部分まで読みとばしてください。

血液脳関門への影響

体の大切な司令塔である脳は、血液に入り込んだ有害物が脳にそのまま流れこまないように、血液脳関門とよばれる細胞の密着構造で守られています。ところが、電磁波の影響で、この大切な血液脳関門が破綻するのではないかと研究されています。

脳に炎症を抱える脳損傷経験者や自閉症の人にとって、血液脳関門の破綻は非常に重大なリスクになります。有害物がフリーパスで脳内に入り、さらに脳内炎症をひろげることにつながります。

まだ研究の途上で、相反する結果もあるようです。今後の進展が気になります。

[参照]

レビュー:「電磁波と血液脳関門」
Electromagnetic fields and the blood-brain barrier – PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20550949/

「900 MHzの電磁波へのばく露は、mkp-1 / ERK経路を活性化し、ラットの血液脳関門の損傷と認知障害を引き起こす」
Exposure to 900 MHz electromagnetic fields activates the mkp-1/ERK pathway and causes blood-brain barrier damage and cognitive impairment in rats – PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25598203/

「無線通信の電磁波が血液脳関門に及ぼす影響」
Effects of Electromagnetic Fields From Wireless Communication upon the Blood-Brain Barrier
https://bioinitiative.org/wp-content/uploads/pdfs/sec10_2012_Effects_Electromagnetic_Fields_Wireless_Communication.pdf

カルシウムイオンチャネルへの影響

細胞は閉じた環境。細胞膜で内と外をへだてられています。しかし、細胞が活動するためには、外からの燃料やシグナルをとりこまなければなりません。

そこで、さまざまな物質の出入りをコントロールできるように、細胞膜にはそれぞれに特化した出入り口があります。カルシウムイオンチャネルもそのひとつです。

[参照]

イオンチャネル – 薬学用語解説 – 日本薬学会
https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%8D%E3%83%AB

カルシウムイオンチャネルは、カルシウムイオンをとりこむことで、神経細胞の興奮、神経伝達物質の放出、シナプスの成長など、神経活動の肝となるさまざまな重要な役割を果たします。

そのカルシウムイオンチャネルに、電磁波が影響を及ぼしているのではないかと懸念され研究されています。

[参照]

「極低周波電磁波は、中枢シナプスでのシナプス前カルシウムチャネル発現を増加させることにより、小胞エンドサイトーシスを促進」
Extremely Low Frequency Electromagnetic Fields Facilitate Vesicle Endocytosis by Increasing Presynaptic Calcium Channel Expression at a Central Synapse – PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26887777/

レビュー:「電磁波は、電位依存性カルシウムチャネルの活性化を介して作用し、有益または有害な効果を生み出す」
Electromagnetic fields act via activation of voltage-gated calcium channels to produce beneficial or adverse effects
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3780531/

その他にも

さらに、脳細胞の軸索をまもるミエリン鞘への影響、メラトニンの減少、酸化ストレス、海馬や小脳の細胞数の変化、脳血流への影響などについての研究がでています。ここまでくると、電磁波を避けようとするのは妥当な選択かなと思えます。

[参照]

レビュー:「無線周波電磁波ばく露によるミエリン損傷は、電気過敏症を説明するか?」
Could myelin damage from radiofrequency electromagnetic field exposure help explain the functional impairment electrohypersensitivity? A review of the evidence – PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25205214/

「835 MHz RF-EMFへの長期暴露は、マウスの皮質ニューロンに多動性、オートファジー、脱髄を誘発」
Long-term exposure to 835 MHz RF-EMF induces hyperactivity, autophagy and demyelination in the cortical neurons of mice – PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28106136/

レビュー:「静電界および超低周波電磁界によるメラトニン抑制:報告されている癌発生率の増加との関係」
Melatonin suppression by static and extremely low frequency electromagnetic fields: relationship to the reported increased incidence of cancer – PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7724876/

レビュー:「低強度高周波放射線の生物活性の酸化メカニズム」
Oxidative mechanisms of biological activity of low-intensity radiofrequency radiation – PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26151230/ 

「携帯電話は人間の脳血流に影響」
Mobile phone affects cerebral blood flow in humans – PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16495939/

対策してみよう

電磁波過敏症と自覚するほど症状のつよい人は、専門家に計測や対策を依頼するのがいいかもしれません。そこまでではないけど、自分でできる対策はやっておきたいという方のために、基本的な方法を3つご紹介します。

1.寝るときは機内モードに

ベッドのなかでスマホをみているうちにまどろむなんて習慣はありませんか?寝ているながーい時間のあいだ、枕元のスマホの電磁波をずっと頭に浴びていないでしょうか?

電磁波対策のいちばん簡単で手軽な方法は、寝るまえにスマホを機内モードにすることです。「電磁波の影響なんて感じないよ」という人も、これくらいだったらやってみようかなって思えますね。

頭を電磁波から守るという意味では、こんな帽子をつかう人もいます。家にいる時間だけでもかぶっていれば、脳が浴びる電磁波の量をあるていどカットできます。それなりに高価ではありますが...

2.Wifi、Bluetoothの使用をひかえる

Wifi、Bluetoothは、いまの時代、生活の土台のようなもの。これをひかえるなんて、とんでもない話に思えるかもしれません。でもね、やってみると、そんなに大変なことでもありません。

まずは、寝るときにWifiをオフにしてみる。

できるならWifiはやめて、PCはLANケーブルでつかってみる。

Bluetoothは便利だけど、コードがあってもかまわないものはコードで代用。とくに、脳をはさむかたちで身につけるBluetoothイヤホンには注意喚起をする専門家が多いようです。

3.アーシング

アーシングについては、こちらの記事(体に電気ためてない? 放電する健康法・アーシングの世界に潜入 – Yahoo!ライフマガジン)がよみやすくておもしろいので、そちらにゆずります。

ようは地面や木などにふれて放電しましょうということです。まゆつばものに思われがちですが、バックアップする研究もたくさんでています。

そんなに毎日、外ではだしになったり、木にふれたりできないよという人は、アーシングシーツやマットが便利です。ふだんの生活をしているだけで、いつのまにかアーシングできちゃうすぐれものです。シーツは睡眠の質にも関わってきそうだし、マットはパソコン机の下にあったら安心。ちょっとほしいな。

まずは手軽なところから、生活にとりいれてみてはどうでしょうか?
こんなものかと慣れっこになっていた肩こりや頭のもやもやが、意外とスッキリしてしまうかもしれません。