ウチコジ

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脳損傷 注目記事

脳損傷経験者にとってアルコールが怖い理由


アメリカで脳内炎症治療の最前線を走る
ドクター、Datis Kharrazian 先生の研究を
以前より注目して追っているのですが、
このたび最新の研究をまとめた講義を
ネットで聞かせて頂きました。

恐ろしいです...

お酒に対する危機感が一気に強まりました。

まず、前提として、
脳卒中や脳外傷によって
高次脳機能障害を負った人は、
脳内のミクログリア細胞(解説)が
M1型に活性化されている状態にあります。

ここが健常者と決定的に違うポイント。

ちょっとのアルコールが
大きなリスクをともなう理由です。

では、こちらの図をご覧ください。

飲酒すると、
まず活性酸素が発生します。

活性酸素は
脳の大切な城壁である
血液脳関門を破壊します。

血液脳関門が破壊されると、
それまでは脳のなかに入ることのなかった
毒素や炎症性物質が
フリーパスで脳内に侵入します。

それらの侵入物によって
脳内炎症の火に油が注がれ、
さらに炎症がひどくなります。

そして、その炎症がさらに
血液脳関門の破壊を進めるという
怖い負のスパイラルが生まれます。

それだけでも怖いのですが、
脳損傷者の脳内に存在する
M1型に活性化されたミクログリア細胞が
活性酸素の作用を受けると
これがさらに炎症の火に油を注ぐのです。

つまり高次脳機能障害の人が
アルコールを摂取すると
健常者の何倍もの影響力をもつ
炎症の炎が頭のなかで
ぼーぼー燃え広がってしまうということ。

「でも、今たまに飲んでいるけど、ふつーだよ」
という方、当然いらっしゃいますよね。

うちの夫も絶対そう言います...

脳損傷者の飲酒時のような
血液脳関門が開いていて、かつ
ミクログリアが活性化されている状態
というのは、かなりきわどい綱渡りをしている
危険な状態です。

いってみれば、
ガスが充満した部屋のような状態。

ほんのちょっとの炎症の火花が
大きな火事を引き起こします。

実際、脳内炎症をもつ人が
何日か連続で飲みに出掛けてたら、
その後、うつ状態、認知機能低下が抜けず、
ずっと回復しないというケースもあるということ。

お酒を飲んだあと、
インフルエンザに罹り(炎症)、
記憶力がわるくなって治らない、
人格の変化が起こって
もとに戻らないという事態が
起こりかねないということです。

さて、
では、いったんミクログリアが活性化された脳は
もうなすすべがないのか。

いいえ、
そんなことはありません。

日々の生活を整えることで、
M1活性型からM2活性型に
導くことが可能です。

M2活性型は、
炎症作用をもつM1とは反対に、
抗酸化作用、脳の成長・修復作用をもちます。

この方法については、また後日くわしく書きます。

ほんとにアルコールの悪影響は
枚挙にいとまがありません。

睡眠への影響もその一つ。

飲んだあと体になにが起こっているのか
しっかり理解して、賢い選択ができるといいですね。