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脳損傷

脳損傷の急性期に知っておきたい対策 (1)


今回は急性期にできる対策についてです。

まずは脳損傷のときに起こる
脳のダメージのしくみについて
おさらいしましょう。

脳損傷のダメージは、
2段階で起こります。

1段階目は、傷そのものです。
事故や、血流、酸素の妨げによって、
脳の一部が傷つきます。

このダメージは
瞬時に起こるので
残念ながら
あまり防ぎようがありません。

2段階目は、
その傷をきっかけにひろがる
脳内炎症によるダメージです。

脳が傷つくと、
脳環境の調整役である
ミクログリア細胞が活性化します。

活性化というと
聞こえがいいですが
実際は制御がきかずに
敵、味方かまわず
攻撃をしかける状態になります。

これが脳内炎症の火を
次から次へとひろげる原因です。

[参照]

Role of microglia in neurotrauma
David J.Loane Kimberly R.Byrnes 2010

ミクログリア細胞については
こちらの記事でも書いています。

脳損傷経験者がなぜアルコールを怖がるべきか

ちなみにミクログリア細胞が
活性化する姿を写真でみると
その凶暴さがなんとなく
伝わってきます。
(こちらはヒトではなく、ねずみのミクログリア細胞)

↓ふだんの働き者ミクログリア細胞

↓活性化した凶暴ミクログリア細胞

同じ細胞なのに、全然形態がちがいますね。

2段階目の
脳内炎症によるダメージは、
受傷後、数時間から数日間にわたって
ひろがっていきます。

だからこそ、
対策のほどこし方で
その後の回復のしかたが大きく変わっていきます。

ここでやっと、
どんな対策をすればいいのか?
というお話です。

1.高圧酸素療法

脳に損傷を受けると
損傷部分の血流が損なわれ、
脳細胞に必要な酸素を運べなくなります。

高圧環境下で100%の酸素を吸入することで、
ダメージを受けた脳のすみずみまで
酸素を届けることができるようになります。

1.5ata(気圧)以上の酸素カプセルに
週5回計40回推奨だそうです。

急性期以降も
効果があったという研究もあります。

参照

Hyperbaric Oxygen Therapy Can Improve Post Concussion Syndrome Years after Mild Traumatic Brain Injury – Randomized Prospective Trial

「まずはこれだ」と、
高圧酸素療法を熱く推奨する
海外の専門医の先生がけっこういらっしゃいます。

一方で、「そんなに効果ないよ」というお医者様も
いらっしゃいます。

まだまだこれからの研究で実証が期待される分野です。
そんなわけで保険もきかないし、高い...

美容サロンとかにも
よく酸素カプセルおいてますよね。
あれでもそれなりの効果はあるそうです。

2、3と続きたいのですが、
長くなってきたので、また次回にゆずります。